大学に入って新しいスポーツを始めてみたい。高校時代はテニスをやっていたから、スカッシュに興味があるなあ、、、実際、元テニス部だとどれくらい有利なのかな?
こんな疑問に答えます。
高校時代、硬式テニス部だった僕ですが、大学ではスカッシュ部に入っていました。
テニス部の時は大した成績も残せず、その辺の高校のよくいる2番手くらいの実力しかなかった僕でも、スカッシュでは大学1年生の時にインカレ(大学の部活における全国大会)に出場することが出来ました。
今回は、そんな僕の経験談から、「元テニス部」であることが「スカッシュ」においてどれくらい有利なのか、リアルに解説しようと思います。
スカッシュを始めるのに、「元テニス部」は有利です。【経験談】
まずは、安心してください。「元テニス部」は有利です。
なぜ有利なのか、どんな点で有利なのか、これから解説していきます。
今、この記事を読んでいる方は「元テニス部」だと思います。
では、皆さんが初めてテニスをやった時のことを思い出してみてください。
レジャー、スクール、部活動、様々な場合があると思いますが、共通して言えることが一つあります。
めちゃくちゃ難しくなかったですか??(笑)
そこそこ重いラケットを持ち、飛んできたボールを追いかけて、うまくラケットの真ん中に当てるように振り、ネットは越えても後ろのラインは越えないように調整して、、、
ホームラン!
ボールはコートを大きく超えてフェンスの外へ、、、
こんな経験はありませんでしたか?
経験者の方ならわかると思いますが、ラケット競技、特にテニスは初心者がいきなり始めるとかなり難易度が高いです。
スカッシュは壁に向かって打つ競技なのでホームランすることはなかなかありませんが、テニスと同じように、身体を動かし、ラケットをコントロールしながら、ボールを思った方向に打ち返すことが必要です。
なので、初めは
走って、ラケットを使って、ボールを打つ。
この一連の動きに"慣れている"というだけでかなり有利です。
しかし、テニスや他のラケット競技を全く経験していない人でも、しっかり練習していけばこの動きにはすぐに慣れてきます。
僕の実体験から考えると3~6か月程で、完全な初心者とラケット経験者との間にある"慣れ"による差は埋められてしまいます。
それじゃあ有利とは言えないだろ!と言われてしまうかもしれませんが、いいえちゃんと有利なんです。
なぜなら、スカッシュのようなほぼ全員が初心者から始まるスポーツにおいては、スタートダッシュが死ぬほど重要だからです。
下記の表は、ざっくりとした年間のスケジュールです。
4月 | 入学、サークル・部活選び |
5月 | 新歓、基礎錬 |
6月 | 本格的にコートで練習 |
7月 | 大会 |
8月 | 大会 |
9月 | 大会 |
10月 | 個人インカレ決め |
11月 | |
12月 | 個人インカレ |
1月 | 団体インカレ決め |
2月 | |
3月 | 団体インカレ |
スカッシュ部に入って初めての大会は大体6月か7月頃になると思います。(地域による)
このあたりというのは、正直まだまだ満足のいく練習量は確保できずに来てしまいます。
ここで「元テニス部」は超有利です。
スカッシュの細かいフォームやショットの技術はなくとも、テニスで培ってきた感覚でとりあえず勝ち進むことが出来ます。
実際、僕も初めての大会では準優勝することが出来ました。ベスト4に残った4人は、元硬式テニス部が2人、元ソフトテニス部が1人、元バトミントン部が1人でした。
全員ラケット経験者ですね。
そして、序盤の大会で成績を残すと、先輩と混ざって練習ができる機会も増えてきます。
そうやって強くなる環境が出来ていき、10月にはもうインカレ出場者を決める大会がやってきます。
こうしてスケジュールを追ってみていくと、スタートダッシュがいかに重要かわかりますよね。
これが、ラケット未経験者の場合だと、序盤の大会ではなかなか勝ち進めず、1回戦負けや2回戦負けが多くなります。中には、試合に勝てず途中で部活を辞めてしまう人も出てきます。
それでも練習を頑張り、インカレ出場者を決める大会で勝ち上がる人ももちろんいます。
しかし、そこでも経験の差が出てきてしまいます。
それは、メンタル面です。
スカッシュは1対1の個人戦です。勝てばインカレ、負ければ終わりという試合で点数的にも並んだ展開になると、最後にものをいうのはメンタルの強さです。
テニス経験があり、そういった場面を経験してきた人はそこで強さを発揮します。
また、「試合慣れ」という面もあります。序盤の大会で勝ち上がり何試合も公式戦を経験している人と、初めて連戦を勝ち上がった人では、それまでに経験した試合数がかなり変わってきます。
いかに練習で強くても、100%の実力は発揮できないのが試合というものです。
ラケットスポーツへの"慣れ"=スタートダッシュ、メンタル面、試合慣れ
"慣れている"というだけのことが、結果としてかなり有利になります。
ここまでいいことばかりで油断している皆さん、ここからは「不利な点」を解説します。
最後まで読んで行ってくださいね。
【油断大敵】元テニス部だからこそ不利な点もある。
「不利な点」と書いていますが、これは「元テニス部」でも通用しないことがあるという意味ではありません。
文字通り、テニス経験があるせいで、未経験者よりも不利に働くことがあるという意味です。
それは何か、解説します。
テニス ≠ スカッシュ
同じラケット競技であることから、「ラケットスポーツへの慣れ」が有利になると説明しましたが、「テニスへの慣れ」は不利に働きます。
テニスとスカッシュは同じラケットとボールを使うスポーツですが、全く別のスポーツであることを忘れてはいけません。
2つのスポーツの共通点と相違点を比べたとき、多いのは圧倒的に相違点です。
まず第一に、道具が違います。
ラケット、ボールとひとくくりにしてはいけません。
ラケットの形や大きさ、重さは違いますし、ボールの材質、大きさももちろん違います。
第二に、コートが違います。
スカッシュは室内競技です。ネット隔てた先に相手がいるのではなく、自分のすぐ横に相手がいます。
第三に、ルールが違います。
サーブ方式も違いますし、1つの箱の中に2人のプレーヤーがいることから特殊なルールがあります。
最後に、フォームが違います。これが最も重要なところです。
(このあたりは詳しく説明すると長くなってしまうので、別の記事で書こうと思います。)
つまり何が言いたいかというと、テニスをやるつもりでスカッシュをしても全く上達しないということです。
特に「フォーム」。これはどんなスポーツでも最も重要なことだと思いますが、「フォーム」がしっかりと出来ていることが上達の大前提です。
そこで「元テニス部」の皆さんが直面する問題は、「テニスの癖を取らなければならない」ということです。
未経験者の人は、真っ白なキャンパスに絵を描き始めるように学んだことがどんどん身についていきます。
しかし、「元テニス部」の人はすでにキャンパスに絵が描かれていますから、元の絵を消してから書き始めなければなりません。とはいっても、完全に消し去ることはできないので、少しずつ消しながら部分的に描き直していく作業になってきます。そうすると、部分的に元の絵が残ってしまったり、重なって汚くなってしまったりします。
この作業がかなり大変です。
一つ、スカッシュとテニスのフォームで決定的に違う具体例を挙げたいと思います。
それは「テイクバック」です。
テニスでは、ボールを打つ際、ラケット自分の体より後ろに引いて勢い付けながら振ります。
しかし、スカッシュのコートは自分の四方に壁があり、壁のすぐ近くに落ちるボールも何とか打ち返さなければなりません。そのときラケットを後ろに引くスペースがあると思いますか?
ありません。無理にテイクバックしても壁にラケットをぶつけてしまいます。
これはあくまで1つの例ですが、テニスでは当たり前のことでもスカッシュではありえないフォームや動きがたくさんあります。
しかし、テニス経験が長ければ長いほど体に染みついたフォーム、癖を取るのは困難を極めます。
その為、スカッシュでは、1年目、テニス経験を生かして成績を上げていた人が2年目以降、未経験者に勝てなくなり始めることが往々にしてあります。
テニス経験にかまけてフォームの修正を怠ると、正しいフォームを身に着けた未経験者には及ばなくなってしまうということです。
これが、「元テニス部」が未経験者よりも不利になる点です。
努力なくして成功は掴めないということですね。
これを踏まえたうえで、スカッシュを始めたら何をすべきか解説します。
元テニス部がスカッシュを始めたら、まずやるべきこと。
まずは、素振りをしまくれ!
ここまで、「元テニス部」の有利な点と不利な点を解説してきました。
皆さんももうわかっていると思いますが、「元テニス部」のあなたがスカッシュを始めるなら、まずするべきことは「フォーム矯正」です。
その為に、素振りから始めましょう。初歩的なことですがこれが最も大切です。
どんなスポーツでもフォームが大事だと言われると思いますが、スカッシュにおいてはフォームが正しくないと試合になりません。
前項で軽くお話ししましたが、スカッシュは狭い空間でボールを打つ必要があるスポーツです。
その為、スカッシュに最適化したフォームでないとそもそもボールを打ち返せない場面が多々あります。
ここで、皆さんにはテニスの試合で決め球を打つ時のことを想像してください。
相手を左右に振り、大きく空いたスペースにボールを強打する。そうすれば物理的に相手はボールに追いつくことが出来ず、点を取れますよね。
スカッシュで同じ場面があったとしましょう。
大きく空いたスペースにボールを打ち込み、相手は追いつけない、しかしボールは後ろ壁に当たって戻ってきます。
戻ってきたところを相手は打ち返してきます。
つまり、スカッシュにおいては決め球というのがほぼありません。
その為スカッシュは、テニスのようにいかに相手の触れられないところにボールを打つかではなく、いかに相手より1球多くボールを拾えるかの勝負なんです。
そんな戦いのときに、全く同じ場所に落ちる球でもそれを拾えるフォームの人と、それを拾えないフォームの人がいれば、結果は一目瞭然ですよね。
スカッシュは「フォーム」が命!
だからこそ僕は、スカッシュはどんなスポーツよりもフォームが大事だと思っています。
なので、まずは「フォーム」を作りましょう。
僕がやっていたのは、フォームがきれいと言われている先輩の動画を撮り、自分の素振りの動画を撮り、見比べて少しずつ修正するというやり方です。初歩的なことですが、これが1番早いと思います。
そのおかげで先輩や動機からはフォームがきれいと言ってもらえるようになりました。
なので、皆さんもまずはスカッシュの正しいフォームを学び、素振りから始めましょう。
【まとめ】
今回は、「元テニス部」の方向けにスカッシュで有利なこと、不利なこと、最初にやるべきことをお伝えしました。
下記が、本記事のまとめです。
・スカッシュでは「元テニス部」は有利!
・しかし、身体に染みついたテニスの癖は不利!
・まずは、素振りから!フォームをテニス→スカッシュに矯正しよう。
有利、不利に限らず「スカッシュ」は「元テニス部」の人なら絶対に楽しいと思います。
大学で部活やサークルに迷っているあなたは1度だけでも試打会のようなイベントに行ってみるのがおすすめです!
今後もスカッシュ関連の記事を書いていく予定なので、ぜひチェックしてくださいね!
BYE!
けびん
コメント
参考になりました!
スカッシュの他の記事楽しみにしています